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    2025.07.19

    【甘くとろける記憶】生キャラメルの歴史と、時代を越えた贈り物の物語おおおおおおおおおおお

第一章|始まりは薬だった?キャラメルのはるかな旅

その日、薬草商人の工房には、甘く香ばしい香りが立ちこめていた。
19世紀のヨーロッパ、まだ「お菓子」という概念が今ほど広がっていなかった頃、人々は甘いものを「薬」として摂取していた。

キャラメルの起源は、古代エジプトやアラブ諸国にまで遡るという説もあるが、はっきりと“キャラメル”という形が歴史に現れるのは19世紀。
イギリスやフランスで、砂糖と牛乳を煮詰めて作るシンプルなお菓子が「キャラメル(caramel)」と呼ばれ始めた。

実はこの“キャラメル”、当初は飴のように硬く、歯応えのあるものだった。
兵士や旅人のエネルギー源、あるいは子どもへのご褒美。携帯食としても重宝されていたという。

しかし——
そこに「バター」と「生クリーム」が加わることで、世界は一変する。

第二章|フランス・ブルターニュ地方からの風

フランスの西端、ブルターニュ地方。
塩の名産地としても知られるこの地で、塩バターを使ったキャラメル「キャラメル・ブール・サレ(Caramel au beurre salé)」が誕生する。
1970年代、パティシエのアンリ・ルルー氏が、この塩キャラメルを芸術の域にまで高めた。

濃厚でミルキー、ほんのり塩味がアクセント——
それまで「子どものお菓子」とされていたキャラメルが、一気に大人のスイーツへと進化した瞬間だった。

この技術と思想は、のちに日本の職人たちにも強く影響を与えることになる。

第三章|日本におけるキャラメルの浸透と変容

日本にキャラメルがやってきたのは明治時代。
文明開化の波とともに、西洋の菓子文化が急速に広がっていく中、「キャラメル」はその甘さと手軽さで庶民に受け入れられた。

やがて、森永製菓が1906年に「ミルクキャラメル」を発売し、国民的おやつとなる。
昭和初期のこどもたちのポケットには、必ずといっていいほどキャラメルが入っていた——そんな時代もあった。

だが、「生キャラメル」という形が登場するのは、ずっと後のことだ。

第四章|北海道・花畑牧場が巻き起こした“生”革命

時は2000年代初頭。
北海道・十勝の大地から、スイーツ界にひとつの革命が起こる。

それが、田中義剛氏率いる「花畑牧場」が手がけた『生キャラメル』だった。
“とろける”口溶け、“生”の食感、“冷やして食べる”という新しい提案。

冷蔵必須という非効率を逆手に取り、「ここでしか買えない」「お土産でしか手に入らない」という付加価値を与え、瞬く間に行列ができた。
北海道スイーツブームの火付け役であり、「ご当地スイーツ」というジャンルを確立した先駆者でもある。

この生キャラメルの誕生によって、キャラメルは再びスポットライトを浴び、パティスリーのショーケースでも主役級の存在となっていった。

第五章|職人の手で磨かれた“余韻”という芸術

生キャラメルは、単なるトレンドで終わらなかった。
職人たちは、火加減、乳脂肪分、塩分、水分、保存温度にまでこだわり、“余韻”の美しさを追求するようになった。

洋酒と合わせた大人の味、季節の果実を混ぜ込んだ華やかさ、ナッツの香ばしさを加えたアクセント。
一粒で語れる、アートのような存在へと進化していく。

この流れの中で、日本各地に“個性派生キャラメル”が誕生し始める。

そのひとつが、神戸・北野から生まれた、ある小さなお店だった。

第六章|神戸・北野の丘から「記憶に残る甘さ」を届ける

異国文化が交差する港町・神戸。
北野の坂道に佇む小さなカフェ「Penheur(プノール)」には、かつてのフランス、北海道、そして日本の菓子文化すべてが融合している。

この店の主役は、カヌレとキャラメル
中でも、生キャラメルの逸品は、口に入れた瞬間“記憶”に染み込むような甘さと奥行きがある。

乳製品のやさしさと、焦がし砂糖のほろ苦さのバランス。
ほんの少しの海塩が余韻を引き締め、次のひと粒が恋しくなる。

包装はまるで宝石箱のようで、大切な人への贈り物や自分へのご褒美にも最適だ。
まさに「甘い記憶を、形にした」ような存在。

第七章|甘さの向こう側にある“幸せの文化”

生キャラメルの歴史を辿ると、それは単なるスイーツの進化ではなく、「甘さ」に託された人々の想いの物語だったことがわかる。

疲れたときに癒やしをくれる甘さ
大切な人へ気持ちを伝える甘さ
懐かしい記憶を呼び起こす甘さ

甘さには、時代も国も越えて、人の心に寄り添うちからがある。
そして、生キャラメルは“記憶に残る甘さ”の象徴だ。

おわりに|記憶に残る、あなたの“ひと粒”を探しに

もしあなたが、誰かに想いを伝えたいとき——
あるいは、自分を甘やかしてあげたい夜に——
ぜひ、記憶に残る“ひと粒”を選んでほしい。

神戸・北野のカフェ「Penheur(プノール)」には、そんな生キャラメルが揃っています。

物語のある甘さを、大切な人と。

あなたの記憶に残るひと粒はこちらから

https://tabelog.com/hyogo/A2801/A280103/28057874/